質問内容
Nutrition Laboratory 何でも相談Liveで次の質問をいただきました。
栄養管理計画書の栄養補給量について質問です。これは、計画書を作成した時点での栄養補給量を記載するのでしょうか?もしくは、推定必要栄養量を記載するのでしょうか?
Nutrition Laboratoryチャンネル【第35回】 Nutrition Laboratory何でも相談Live 1:17:46
診療報酬関連の質問ですので、「○○にしてください」と明言できません。
しかし、公式的な文書や栄養管理計画書の性質などから記載内容を考えることはできます。
また『何でも相談Live』で勇気を出して質問してくださった、ydさんのためにも回答したいと思います。
栄養管理計画書の復習
回答するの前に栄養管理計画書についておさらいします。
栄養管理計画書の作成についてはN.Lab #105でも解説しています。
栄養管理計画書の大項目
栄養管理計画書は大きく3つの項目にわかれます。
基本的なフォーマットについてはこちら(日本栄養士会ホームページより)
- 入院時栄養状態に関するリスク
- 栄養状態の評価と課題
- 栄養管理計画
この3つの項目のうち1、2に関しては『栄養アセスメント』にあたります。
そして、1、2のアセスメントを受けて、3に『栄養管理計画』を記載します。
つまり、栄養管理計画書は栄養アセスメント→栄養管理計画を1枚に記載できる書類であると言えます。
栄養管理計画の中項目
続いて、3の栄養管理計画は、さらに5つの項目に分かれます。
- 目標
- 栄養補給に関する事項
- 栄養食事相談に関する事項
- その他栄養管理上解決すべき課題に関する事項
- 栄養状態の再評価の時期
今回の質問は『栄養管理計画』の中の「栄養補給に関する事項」になります。
栄養補給に関する事項が栄養管理”計画“に記載する事項であることが大切です。
診療報酬上の栄養管理計画書
続いて、栄養管理計画書を作成することになった経緯も見てみましょう。
診療報酬の変遷についてはN.Lab@8でも解説しています。
栄養管理計画を作成することは平成18年度の診療報酬改定から制度化されました。
- 平成18年度 栄養管理実施加算
- 平成24年度 栄養管理実施加算の入院基本料へ包括(平成24年度診療報酬改定資料)
- 令和4年度 褥瘡評価の一部代替(令和4年度診療報酬改定資料 p50)
ここで重要なことは管理栄養士が入院における栄養管理に求められることが大きくなっていることです。
つまり「個々の患者に対して栄養管理”計画“をもとに栄養管理を実施してね」ということです。
それが実施されているか確認するための書類が栄養管理計画書になります。
栄養管理計画書(栄養補給)に関する回答
さて、ここまで栄養管理計画書について振り返ってきました。
『何でも相談Live』では、記載内容については「疑義照会」にあった気がしますと回答しています。
しかし、結論から言うと疑義照会で具体的な記載事項は見つけられませんでした🙇♂️
ただし、ここまで栄養管理計画書について、改めて復習してきました。
ここから見えてくることは、”計画“を記載することを求められているということです。
ここまで見てくださった方は、何を記載したら良いかわかったもらえたのではないかと思います。
またLive中にも話していますが、部署内で記載内容がバラバラが問題になると思います。
さらに何を記載するかはとても大切ですが、栄養管理計画を立案するにあたって他にも重要なことがあります。
具体的な内容について栄養士会で取り上げてくれていましたので、こちらについても院内でしっかりと体制作りが必要な内容だと思います。
【参考資料】
日本栄養士会【お知らせ】【医療】診療報酬を極める!現場の「?」に医療事業部企画運営委員がお答えします(その8)
- 関東信越厚生局ホームページ内 栄養関係p3、4、14
- 近畿厚生局ホームページ内 栄養関係p4、6、14
1人職場のあたなへ
最後になりますが、診療報酬の解釈部分(各施設に裁量がある)については、質問が多いと所だと思います。
しかし、最も重要なことは患者さんにとって価値があるかどうかと言うことだと思います。
患者さんにとっての価値を提供するためにはチーム(同職種、多職種間)で対応することが重要です。
そのため、皆で共有できるフォーマットであるかという視点で検討してもらえれば良いのかと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
1人職場で困っているかた『Nutrition Laboratory何でも相談Live』で、コメントお待ちしてます。
もしくは直接連絡していただいても構いません。
1人で悩んで立ち止まらず、一緒に患者さんの栄養管理に繋げられるように協力していきましょう。