Nutrition Laboratory『23回 何でも相談Live』で以下の質問をもらいました。
術前のアセスメントシートの具体的な内容や評価の例を教えて頂けたら嬉しいです!
Nutrition Laboratory 23回何でも相談Live「https://www.youtube.com/watch?v=HvuL8EVto0g&t=2499s」
現在所属してる病院で栄養アセスメントシートを作成しましたのでご紹介いたします。
栄養アセスメントシートについて
現在、所属している病院では『栄養アセスメントシート』を作成し活用しています。
つまり、栄養アセスメントを見える形にし業務を行なっています。
当院で使用している栄養アセスメントシートは3部構成になっています。
- 身体計測情報
- 必要栄養量の算出
- GLIMによる栄養評価
身体計測情報
栄養管理の基本事項である、身体計測情報を入力します。
身長、体重が不明な患者に関してはKH法(膝高法)を用いて予測身長、予測体重を算出します。
KH法(膝高法)ではAC(上腕周囲長)、TSF(三頭筋皮下脂肪厚)の測定も必要です。
AC、TSF、KHの詳しい測定方法については知りたい方はこちらの書籍がわかりやすいと思います。
身体計測による栄養評価は%AMC(%上腕筋囲)とCC(下腿周囲長)を用います。
特に%AMCはGLIMによる栄養評価の筋肉量として使用しているため、AC、TSFは必ず測定するようにしています。
必要栄養量の算出
必要栄養量は共通の栄養量としてエネルギーとたんぱく質を算出するようにしています。
必要エネルギー量はハリスベネディクト(H-B)にAF(活動係数)、SF(ストレス係数)から求める方法で。
また、体重当たりのエネルギー算出方法でも良いとしています。
どちらにしても、体重がないと必要エネルギー量が算出できません。
そのため体重の測定もしくは予測体重の算出は栄養管理上必須になります。
必要たんぱく質量は、基本的には体重当たりのたんぱく質量で設定しています。
NPC/Nも自動計算されるようにし、どちらも確認できるようにしています。
必要エネルギー、たんぱく質以外の栄養素については個別で設定します。
GLIMによる栄養評価
最後に栄養評価はGLIMで行なっています(参考文献1-1-1, 1-1-2参照)。
GLIMの筋肉の評価はCT、BIT(いゆるIn body)での評価ということになっています。
しかし、前例にBITを実施するのは現実的に難しく、またBITのための機器がないと評価できないということになってしまいます。
それでは折角のツールも活かすことができないため、%AMCより筋肉量を評価しています。
その他、GLIM の評価方法については、こちらを参考にしてみてください。
栄養アセスメントの対象患者
栄養アセスメントの対象者は栄養ケアマネジメントの流れに沿って考えます。
つまり、栄養スクリーニングで栄養障害のリスクが『あり』と判定された患者さんということになります。
具体的には『入院診療計画書で栄養介入の必要性 有り』もしくは院内の栄養スクリーニングで『栄養障害のリスクあり』の2パターンになると思います。
栄養スクリーニングは看護師さんが行なっている病院が多いと思います。
そこから栄養アセスメントは管理栄養士の仕事だと思っています。
なぜなら詳細な栄養アセスメントができるのは栄養の専門職である管理栄養士だけだからです。
診療報酬上、栄養アセスメントシートの作成は必須ではありません。
しかし病棟での栄養管理が求められる昨今、栄養アセスメントの情報は自部署スタッフとの共有、多職種との共有が必要不可欠になっていると思います。
また栄養アセスメントシートを作成することで業務を見える化し、何をしなければならないかが明確になるという点でもシートの活用は栄養管理業務上有効だと考えています。
参考までに栄養アセスメントシートの作成数:400件/月程度になっています。
栄養アセスメントの活用方法
Nutrition Laboratoryでは栄養評価シリーズの動画を配信しています。
ぜひ、こちらの動画で栄養アセスメントの活用について確認し、ベッド再度で実践してくください。
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